野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベント「投げ方改善4DAYS」の第3回が、12月15日に開催された。参加者の悩みで最も多かったのは、「軸足の膝が前に折れる」投げ方。イベントに出演した野球塾「Perfect Pitch and Swing」代表の長坂秀樹さんが効果的なアイテムとして勧めたのは、「椅子」だった。

 全4回のイベントでは、専門家たちが投げ方の悩みを解決するポイントやドリルを解説している。3回目の講師に招かれた長坂さんは現役時代に最速152キロを記録した投手で、引退後は投げ方に重点を置いた野球塾を運営している。イベントでは参加者から投げ方の悩みについてアンケートを取り、その中で最も多かった回答が「軸足の膝が前に折れる」だった。

 複数選択式で、全体の76.7%を占めた。軸足の膝が前に折れると力が逃げてしまい、強いボールを投げられなくなる。そして、長坂さんは「膝が折れる選手は、膝がつま先よりも前に出ている状態で投げています」と指摘した。そこで長坂さんが紹介したのは、椅子を使った改善ドリルだ。内容はシンプルで、椅子に座る動きを投球動作に組み合わせるだけ。軸足一本で立ち、踏み込む足は浮かせて前に伸ばした形で股関節を曲げて椅子に座る。そこから、形を崩さずに軸足一本で立ち上がって投げる。

 長坂さんが意図を説明する。「椅子に座る時、膝はつま先より前に出ません。自然に股関節が曲がります。骨盤を後ろに倒す感覚です。椅子に座る際は頭の位置を変えずに、ひらがなの『く』をつくるイメージ。下半身と上半身は連動しているので、下半身の動きが直ると上半身も良くなるケースがあります」

 長坂さんは身近にあるものや、100円ショップで購入できる安価なアイテムを使った投げ方改善ドリルを、他にも実演した。ボールの強さを向上させるために重要な、腕を体の内側に回す「内旋の動き」を身につけるには、先端に重さや空気抵抗がある「ひしゃく」が有効だという。ひしゃくを持ってシャドーピッチングすると、肩を内側に回旋させる感覚が分かりやすい。長坂さんはポイントを次のように話す。 「手の平を外側に向けながら腕を振ります。右投げの場合、手の平は一瞬だけ捕手方向に向いてから三塁側の方に向き、最後は空を向きます。三塁側を向いた状態で投げ終わってしまう選手が多いと感じます。内旋の動きは人体の中で一番速いと言われているので、上手に使わないと球速は上がりません」  球速や球威は、手足の長い選手や体重が重い選手の方が有利なのは否定できない。ただ、力をロスしない体の使い方や投げ方を身に付ければ、投球や送球は飛躍的に良くなる。

出典:Full-Count